2012年02月06日(Mon)
 相方に最近トイレットペーパーがなくなるのが早くないかと問われた。
 それはたぶん、今回のトイレットペーパーはダブル(二枚重ね)であり、とくに紙の間に空気を入れてふわっと軽く巻いているためだろう。そのせいで一見柔らかそうに見え、肌に優しく思えるが、紙の厚みの他に空気の層が加わるので長さは当然短くなり、したがって従来使っていたものより使い切るのが早いというわけだ。
 トイレットペーパーは、ふわっと巻いていただかなくとも結構であると製紙会社に言いたい。
 どちらかといえば、使う段になって使用者が自分なりに使い心地の良いように空気を入れながら取り扱う方がなによりだと思うのだ。
 人民の人民による人民のためのトイレットペーパーである。
 昔、子供の頃はちり紙であった。それをくしゃくしゃと揉んで紙の間に空気を入れ層をつくり、適度な柔らかさにして使っていたものだ。
 第一、トイレットペーパーなど、私はシングルでもダブルでもかまわない。自分で手に取る量を調整できるからだ。
 こんど買うときは注意して選ぼうと思う。

 ところで、余談になるが、トイレットペーパーで思い出したことがある。あまりこういう便の話ばかりするのはどうかと思うが、この際ついでなのでお許しいただきたい。

 15年くらい前だったか。中学生の頃からの友人Dと、Dの兄と三人で話していたときのことである。
 そのときも話題はなぜかトイレの話で盛り上がっていた。たしか、「ウォシュレットは必需装置だ」というような話をDの兄が展開していた。そこで私が「ウォシュレットは滅多に使用しない」と言った途端、私を見るDの兄の顔色が変わった。Dの兄にとって私の言葉は思いがけないものだったようだ。

「ええっ、寺西くんは不安やないの?」と身を乗り出すDの兄。
「え、なにが? 普通にトイレットペーパーで拭いて終わりですよ」
「へえー、それで何回ぐらい拭くん?」
「だいたい2回ですね」
 そう言うとDの兄はびっくりしたような顔になった。
「2回!? 寺西くんは大便をした後、2回って決めてるの!?」
「ええ、まあ、だいたい……」
「えええっ! そんなん、キレイになったかどうか分からんやん。ちゃんと目で見て確認せんと!」
「いやいや、そらもちろん確認してますよ!」
「それでも2回はどうなんやろう! なあサトシ、寺西くんは2回しか拭かへんねんて!」
「じゃあ、何回拭くんですか?」
「そりゃあキレイになるまでやん」
「せ、せやから、僕はそれが2回くらいなんですって!」

 心外だった。Dの兄は、もはや不潔な男を見る目である。
 もう一度書いておくが、私もちゃんと目で見て確認している。もちろんキレイになっていなければ3回目もあるし、何なら4回目もあるだろう。しかし大概の場合、2回で済むのだ。

 ここで、もうひとつ思い出したことを書こうと思う。
 高校の同級生で同じクラブの部員だったKからのおかしなアドバイスである。
 場所は学校の廊下だった。この時はトイレとまったく関係のない話をしていたにもかかわらず、Kは唐突に言い出した。
「あのなあ、テラちゃん! ウンコした後お尻拭くときは、モウして、きばりきった時に拭いたら一番キレイに拭けるねんで」
 如何にも理にかなった方法だとでも言いたげであった。
 私は一瞬言葉をなくしてしまった。おもわず「な、なんの話やねん……!」と突っ込んだ。単なる返答ではなく、素直に感じた疑問である。
 Kは日頃からトリッキーな笑い話を仕掛けるやつでもあったので、おそらくその場に脈絡のない話題を放り込んで楽しんだのだと思う。
 ただそれだけのことだったが、あれからもうすぐ30年近く経とうとしている。
 私の頭の奥深くにはKが言った言葉がある種「呪い」のように留まっていて、いまだに忘れられないで困っている。
 たとえば、「3回目」が必要になった時などに、ふとKを思い出すのである。

 今回はまったく取り留めのない汚い話に終始して申し訳ありませんでした……。
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